赤崎神社楽桟敷【ながと四季マップ】
2016.9.22
ナマステ、(=ゝ=)です。
日本各地では、さまざまな形態のお祭りが開かれています。
日本の三大祭といえば、京都の「祇園祭」、大阪の「天神祭」、東京の「神田祭」ですね。
首都圏外であれば、福岡の「博多どんたく港まつり」、青森の「ねぶた祭り」も有名です。
これらは全て、ワッショイ!ワッショイ!系のお祭りですが、「祭り」にはいろんなパターンがありますね。
例えば、「弘前さくらまつり」のように季節の花を愛でる祭り、
「さっぽろ雪まつり」のように展示物を楽しむ祭り、
「どろんこ祭り」のようにイベント感覚で楽しむ祭りなどなど。
儀式的な意味以外にも、フェスティバル的な行事にも祭りという言葉が多く使われています。
儀式的な祭りは、信仰・慰霊・五穀豊穣・感謝など、神や先祖や自然に対して祈るものが多く、
そのほとんどが古くから伝わるお祭りであることが多いです。
ですが中には、面白い経緯で始まった新しいお祭りがあります。
例えば石川の「湯涌ぼんぼり祭り」は、祭り会場である湯涌温泉を舞台にしたTVアニメーション
「花咲くいろは」の中で登場した架空のお祭りを、実際にやってみようと考え始まっています。
のぞみ札と呼ばれる願い事を書いた木板を燃やし、天に届けると行った儀式もありますが、
これもアニメ内で行われた架空の儀式なのです。
高知発祥の「よさこい祭り」は、同じ四国の徳島で行われる大きな祭り「阿波踊り」に対抗したいと考えた
地元商工会が始めており、今や北海道をはじめとした全国的な祭りとなっています。
(よさこい節自体は、古くから高知県で伝わっていたものです)
新旧や経緯にかかわらず、沢山の人が一緒に願いそして楽しむお祭り。
日本の伝統としてこれからも残していきたいですね。
【ながと春・秋マップ】赤崎神社楽桟敷(東深川地区)
祭りの醍醐味である踊りや練りを楽しむには、観覧場所が必要となります。
観覧席の中で、高い場所に作り舞台を見下ろす座敷席を「桟敷」と言います。
そんな桟敷が古くから残っているのが「赤崎神社楽桟敷」です。
所在地:山口県長門市東深川字土井の内2668
アクセス:サンデン交通「赤崎神社前」徒歩2分
藤光海風堂より徒歩5分
駐車場:約5台/無料(祭り時には臨時駐車場を開放)
トイレ:有り
特記事項:祭りの際以外は駐車場がほぼありません
詳細情報:ダイドードリンコ日本の祭り
深川小中学校のすぐそばにある赤崎神社には、国指定重要有形民俗文化財である、
自然の地形をそのまま利用した、全国的物珍しいすり鉢型の円形野外劇場「楽桟敷」が現存しています。
円形の観覧席は、コロッセオのような西洋闘技場を思わせますね。
作られた時期は今も分かってはいませんが、戦国時代末期の1596年に牛馬の大疫病が発生した際、
この土地を使って、疫病の平癒と治まったことに対する感謝を神に示した踊りを奉納した記述が残っています。
毎年9/10には、この楽桟敷を使った「赤崎神社例祭」が開催されています。
現在は楽踊り「月の前の伶楽」・「虎の子渡し」と、「湯本南条踊」、別会場ですが
「正明市式三番叟」の4つが奉納されています。
なお、2つの楽踊りと南条踊は、県指定無形民俗文化財に指定されています。
(画像は湯本南条踊の様子です)
この4つの踊り、三番叟は祭りに対する歓びを表現した踊りになります。
楽踊りは、農耕の際に踊られていた田楽踊りが形式化したものと伝わっており、
五穀豊穣や農耕の安寧、雨乞いなどを祈ったものとして伝わっています。
そのせいか、この祭りの日は雨であることが多いです。
(この日も午後から曇りだし、翌日は大雨になりました)
湯本南条踊は、岩国市に藩をかまえていた吉川氏伝来の武家踊りと言われており、
勇ましさを表現し、武運・家の繁栄を願った踊りとなっています。
そのため踊り手の人はみな、腰に刀を差して踊っています。
南条踊の特徴はコレ、「吹貫(ふきぬき)」。
巨大な円形の飾りで、鮮やかなこれが振り回される様は圧巻です。
この飾りは、武士の重要拠点である本陣を表したものと言われています。
鮮やかな衣装、鐘、尖った帽子などは、中世朝鮮の衣装を彷彿とさせます。
立地的に近いですし、もしかするとそれらに影響を受けているのかもしれませんね。
この楽桟敷、かつては殿様や上流階級が座れる場所だったらしく、一般人は下や遠くから見るしかありませんでした。
今は閲覧自由となっていますが、一番高い桟敷に座れば、殿様気分を味わえるかもしれませんね。
楽桟敷を含む赤崎神社境内には、桜の木も多く植えられています。
中心街から近いこともあり、多くの人で賑わいます。
春は桜を、秋は祭りをと、1年に2度楽しめる赤崎神社。
当店からも徒歩で行ける最高の立地です。
当店に起こしの際は、ちょっと散歩してみてください。